用途

電源試験

アダプタ、充電器、電源の効率、無負荷と待機時の消費電力、電圧安定度、力率の測定。

この測定がなかなか難しい理由

電源試験は測定範囲の両端で成り立ち、その両端は通常、同じ報告書のなかで同じ計器から報告されます。全負荷効率は測定範囲の上限で測りますが、無負荷時と待機時の消費はワットに満たない水準で測ります。それで仕様を決めるのは、測定が最も難しい測定範囲の端、つまり下限側になります。

だから下限側の性能が選定を支配します。20 A では優れていてもミリアンペアに満たない電流を分解できない計器は、うたわれた精度がどれほど良くても、使える待機時の数値を出しません。スパン全体にわたって分解能を保つ広レンジ設計なら、手順の合間に設定を書き替えることなく試験手順全体をこなし、作業者の誤りのよくある原因も消えます。

2 つ目の要因は、電流の大きさではなく形です。スイッチング電源は頂上の鋭い入力電流を引き込むため、高い波高率を許容できない計器は、読みをクリッピングするか歪めます。出力側で問われるのは、そもそも計器が DC を受け付けるかどうかです。AC のみ向けに仕様が決められた機種は、効率の計算が必要とする出力側の数値を出せません。

測定が必要な項目

  • 無負荷時と待機時の入力電力。たいてい定格の数値よりはるかに低くなります。
  • 定格負荷での入力電力と出力電力。効率はこの値から算出します。
  • 力率と、入力電流の波形の挙動。
  • 連続負荷下での温度上昇と出力の安定度。
  • 負荷条件と、読みの持続時間。同じ製品でも、短い読みと熱が安定したあとの読みでは結果が異なるためです。

どの機器が何を測定するか

測定分野読みが明らかにすべきこと一般に指定される計器
下限側の分解能が細かい広レンジの入力電力 比較を無効にするレンジ切替なしで、1 台の計器が待機時の数値と定格の数値の両方を取れることデジタル電力計と AC/DC の電気パラメータ試験器
低電力と待機時の測定 測定範囲の下限にある数値が、規制上の限度と比較できるほど安定していることゼロ近傍の分解能が高い低電流形の電力計
効率の算出と比較 異なる点で取った 2 つの読みの比なので、両側の不確かさが結果へ効きます通信出力と記録を備えた電力計
負荷下での熱の挙動 始動直後ではなく、定格負荷で熱が安定したあとに、うたわれた限度の内側に留まるか温度測定とデータ記録

効率は 2 つの測定値の比なので、両端の不確かさが答えへ届きます。

直流安定電源の選択肢を絞り込む

  1. 規制上または契約上で、製品が満たす必要がある限度を特定します。必要な精度を決めるのは計器のカタログではなく、その限度だからです。
  2. 報告しなければならない最も低い数値を控えます。検証される数値は待機時の消費であるのが普通で、定格負荷より三桁低いのが通常です。
  3. その低い数値を分解でき、しかも定格負荷を扱える計器かを確認します。できれば 1 つの測定範囲が望ましくなります。
  4. 計器が許容する波高率を照会します。スイッチング電源の入力電流は頂上が鋭いためです。
  5. 出力側を測定する必要があるかを定め、それで DC 測定が必須か、AC のみの計器で足りるかが決まります。
  6. 効率を計器内部で算出するのか、出力した読みから算出するのかを決めます。インターフェースの要件が変わります。
  7. 試験を無人で実行する必要があるかを確認します。一夜にわたる熱安定試験は、表示ではなく記録を必要とするためです。
  8. 顧客が期待する校正文書を確認します。効率の結果は契約上のものであることが多いからです。

この用途がどこで終わり、次が始まるか

隣接する用途電源試験との違い
電気パラメータ試験 あの仕事はうたわれた 1 つの動作点で装置を判定しますが、こちらは待機時と全負荷が同じ報告書に現れるため、測定範囲全体を跨ぎます。
エネルギー効率試験 ここでは効率は入力と出力の瞬時の比ですが、あの仕事は代表性のあるサイクルにわたる消費を積算して電力量を報告します。
モータ・ドライバ試験 あちらで決定的なのは、変わるスイッチング周波数に対する帯域幅ですが、こちらでは固定した測定範囲の下限での分解能です。
産業試験台・校正 試験台は電源そのものが正しいことを検証します。製品の試験ではなく、計器の確認です。
製品品質検査 検査は現物品を合格か不合格かにしますが、こちらは規制当局または顧客が読む性能の数値を作ります。

問い合わせに添えて送る内容

  • 製品の種類。アダプタ、充電器、オープンフレーム形の電源、モジュール。
  • 満たす必要がある限度と、その限度の出所。
  • 定格の入力と出力。報告しなければならない最も低い数値を含めます。
  • 出力が AC か DC か、そして測定する必要があるか。
  • 想定される波高率、または入力電流の波形の性質。
  • 読みを取り出す必要があるか、またどのインターフェース経由か。
  • 試験を有人で回すか無人で回すか、そしてどのくらいの時間回すか。
  • 試験位置の電源構成。単相か三相か。
  • 必要な数量と、使用に必要な期日。
  • 校正証明書を計器に添える必要があるか。

公開中の製品

電源試験向けの計器

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基本精度
±0.2 %(0.2 級)
測定モード
AC シリーズは AC。AC/DC シリーズは AC、DC、RMS
電圧入力
AC 3〜600 V。AC/DC シリーズは AC + DC 3〜600 V
電流通り
シリーズと定格により、5 mA〜20 A から 50 mA〜200 A まで

よくあるご質問

電源試験に関するご質問

発注前に生じる質問です。ここにないものは、測定用途といっしょにお送りいただければ、見積りと合わせて回答します。

待機電力は全負荷の電力より測定が難しいのはなぜか

待機時の消費は定格負荷より三桁低いことがあります。計器は全負荷をレンジ切替なしで扱いながら、その水準を分解できなければならないため、最大測定範囲ではなく下限側の分解能に重みが置かれます。下限側が粗い広レンジの計器は、単にゼロを報告します。

波高率とは何か、なぜここで効くのか

波高率は、波形のピーク値と RMS 値の比です。スイッチング電源は幅の狭いピークで電流を引き込むため、波高率が高くなります。そのピークを許容できない計器は、ピークをクリッピングするか RMS 値を誤って報告し、誤差は測定された電力へ直接現れます。

同じ計器で AC の入力と DC の出力を測定できるか

AC と DC の測定モードの両方に対応している場合だけです。AC のみの計器では出力側の DC の数値が出ないため、1 台で効率は算出できず、別の計器が必要になります。

電力計は必ず電気エネルギーも測定するか

限りません。瞬時の電力だけを表示する計器もあります。試験がサイクルにわたる Wh 単位の消費を要求するなら、積算機能が備わっているかを前提にせず確認してください。多くの機種ではオプションだからです。

負荷を通電し続ける時間はどのくらい必要か

製品が熱平衡に達するまでです。これは計器ではなく製品が決めます。そこから出てくる計器の要件は記録です。熱安定の始まりと終わりに手作業で取った読みでは、その間に何が起きたかを示せないためです。

精度等級と分解能のどちらを見るべきか

両方ですが、理由は異なります。精度等級は、報告した数値を限度に対して主張できるかを決め、分解能は小さな待機時の数値を読めるかを決めます。値を分解できない表示に厳い精度等級を付けても役に立ちません。

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