この測定がなかなか難しい理由
水の流量は、本カタログで最も多く設置される測定用途であり、指定を誤ることが最も多い用途の 1 つでもあります。「水」という語が、ほとんど共通点のない液体をまとめて呼んでいるからです。満管の配管を流れる清潔な飲料水と、固形分を含む排水はどちらも水ですが、向いている計器は、動作原理が全く共通していません。媒体の名前だけを述べて状態を書いていない仕様は、まだ始まっていません。
ほぼすべてのケースは 3 つの問いで決まります。配管を開けられるのか、外側から取り付けるしかないのか。水は導電性で、それなりに清潔なのか、それとも固形分、繊維、ごみを含んでいるのか。数値はプロセスの制御に使うのか、それとも誰かが異議を唱える課金の根拠なのか。最初の 2 つでファミリーが丸ごと消え、3 番目が、この用途が精度とトレーサビリティにどこまで払えるかを決めます。
流量は、設置にもっとも左右される測定でもあります。上下流の直管長、弁と曲がりの有無、ラインが常に満管であるかが、いずれも特定の計器を使えるかどうかを決めます。これらは現場の事実であり、型式を選んだ後ではなく前に特定する必要があります。
測定が必要な項目
- 閉じた配管における体積流量。清潔な飲料水から固形分を含む排水まで。
- 水路、測流槽、満管にならない配管における開水路の流量。
- フィルタ、メンブレン、熱交換器を跨ぐ差圧。
- 流量の用途に影響する場合の、ポンプの吐出側と配水本管の圧力。
- ラインが常に満管かどうか。開水路の条件になると計器のファミリーが完全に変わるためです。
どの機器が何を測定するか
| 測定分野 | 読みが明らかにすべきこと | 一般に指定される計器 |
|---|---|---|
| ラインを隔離できる、清潔で導電性のある水 | 内径に障害物もなく、摩耗するものもない状態で通過した量 | 電磁流量計 |
| 切断したり排水したりできない清潔な水 | 配管の外側から測定した流量で、校正済みの接液形の流量計より低い精度を受け入れる | クランプオン形の超音波流量計 |
| 開水路と、満管にならない配管 | 満管になることのない水路の流量で、閉じた配管用の計器では有効な読みが得られません | 開水路流量計 |
| 大口径の配管と監視用途 | 全口径形の管内設置の費用をかけずに、実用に足る数値 | 超音波流量計 |
| フィルタとメンブレンの状態 | 閉塞が進行しているかどうか。流量ではなく差圧の数値です | 差圧トランスミッタ |
固形分の量とラインを隔離できるかどうかは、精度が話に出る前に計器のファミリーを排除します。
流量調査の選択肢を絞り込む
- 配管を開け、排水し、隔離できるかどうかを特定してください。その 1 つの答えだけで候補の半分が消えるためです。
- 液体を実態どおりに記述してください。固形分の量、繊維、摩耗性、導電性、そして飲料水か排水か。
- 測定箇所で配管が常に満管であることを確認してください。そうでない場合は開水路の用途になります。
- 上下流で確保できる直管長を測ってください。挿入形とクランプオン形は長さがなければ機能しないためです。
- 数値がプロセスを制御するのか、課金を確定させるのかをお知らせください。精度等級とトレーサビリティが範囲に含まれるかがこれで決まるためです。
- 呼び径、管壁の材質、ライニングの有無を記入してください。クランプオン形はこれらを正しく入力しないと精度が出ないためです。
- 読みを制御システムに送る必要があるかを決めてください。出力信号が仕様の一部になります。
- 設置箇所の周囲温度とプロセス温度を確認してください。センサと電子部の両方に制約が出るためです。
この用途がどこで終わり、次が始まるか
| 隣接する用途 | 水流量測定と何が違うか |
|---|---|
| 水質監視 | あちらの作業は水をどれだけ通過したかを測るのではなく中に何があるかを測り、量ではなくドリフトと保守間隔で評価されます。 |
| タンク・サイロ液位監視 | 液位は寸法から量を推定するので在庫の把握には足りますが、流量の測定ではなく、通過した量を知る必要がある場所では代用できません。 |
| 空調試運転 | あちらでも流量を測定しますが、小規模な閉回路を低流速で、たいていは 1 回だけ測ります。こちらは用途が連続的で、数値が課金に使われることも多いという点です。 |
| エネルギー効率試験 | あちらの作業では流量は熱効率の比を構成する要素の 1 つとして現れ、こちらは流量それ自体が報告される量です。 |
| 製品品質検査 | あちらは図面の許容差に対して形ある物を判定するもので、流れる媒体は一切関わりません。 |
問い合わせに添えて送る内容
- 測定箇所の呼び径、材質、肉厚。
- ラインを隔離して排水できるか。
- 液体。飲料水、プロセス水、冷却水、排水のいずれか、および固形分と繊維の量。
- 配管が満管か、一部のみ充満するか。
- 想定する流量の範囲と、分解する必要のある最低の数値。
- 上下流で確保できる直管長。
- 数値が制御用か、監視用か、課金用か。
- プロセスの温度、圧力、周囲環境。
- 必要な数量と、使用に必要な期日。
- 校正証明書が期待されるか。課金の用途であれば要求されることになります。
公開中の製品
水流量測定向けの計器
SIN-1158S (3機種) · 超音波流量計
クランプオン形超音波流量計
暖房水、建物用水、プロセス水向けのクランプオン形超音波流量計。壁取付形、手持形、固定形のホストを用意し、クランプオン形と挿入式の変換器に対応する。
- 形名
- SIN-1158S / SIN-2100H / SIN-FSC400 の三つのホスト
- 取付
- 配管の外側にクランプオン形の変換器を取り付けるか、管壁を貫通する挿入式の変換器を使う
- 精度
- 資料に記載のとおり、全目盛りの ±1 %
- 配管範囲
- ホストと変換器により DN20〜DN1200。挿入式のプローブでは DN80〜DN6000
よくあるご質問
水流量測定に関するご質問
発注前に生じる質問です。ここにないものは、測定用途といっしょにお送りいただければ、見積りと合わせて回答します。
クランプオン形の超音波流量計は接液形の流量計を代用できるか
多くの清潔な水の用途では代用でき、配管を切る手間も避けられます。精度は校正済みの接液形の流量計より低く、配管の材質、肉厚、ライニングを正しく入力することにも依存するため、課金ではなく監視向けの答えになることが普通です。
固形分の量がそれほど効くのはなぜか
測定原理をわずかに劣化させるのではなく、原理そのものを無くすからです。可動部のある計器は摩耗し、光学式と一部の超音波式は浮遊物質で散乱し、内径に障害物がある方式は目詰まりして塞がります。固形分の量を先に特定すれば、それだけでファミリーが決ることが普通です。
配管は満管である必要があるか
閉じた配管の原理であれば、すべて必要です。ラインが満管にならないまま流れる可能性があるなら、開水路の測定になり、水路の形状が仕様の最優先の要素になります。
流量計に必要な直管長はどれほどか
原理と、上流に何があるかで変わります。曲がり、弁、ポンプでは流速分布の乱れ方がそれぞれ異なるためです。取れる直管長は現場の事実なので、お問い合わせと一緒に伝えるべきです。クランプオン形と挿入形がそもそも成立するかがこれで決まるためです。
課金向けの流量測定は制御向けの流量測定と違うか
異なります。店舗で使うはかりと大まかな確認が別のものなのと同じです。課金の用途では精度等級、校正のトレーサビリティ、ときに合意された規格が範囲に入りますが、制御の用途は絶対的な精度ではなく繰返し性で足ることが普通です。
流量の範囲が非常に広い場合はどうするか
広いレンジ比は最も難しい要求の 1 つです。下限での分解能と上限での圧力損失が互いに相反するからです。最小と最大の両方の数値をお知らせください。最大だけで選んだ流量計は、最小を分解できないことが多いためです。
水流量測定のお見積り
測定対象、測定範囲、条件をお送りいただければ、計器ファミリー、構成、納期を確認します。
見積依頼
お見積り依頼 - 水流量測定
技術的な詳細をお送りいただければ、供給可否・納期・取引条件を確認いたします。在庫品は 48 時間以内に出荷し、カスタマイズ仕様は通常 2〜10 日を要します。最低注文数は 1 台 です。